大阪歯科大学 教員情報      
     


発表言語 日本語 
発表タイトル 咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者における術後1年間の咬合力の経時的変化 
学会名 第21階日本顎関節学会総会 
発表形式 ポスター掲示 
発表者・共同発表者 吉門 良祐, 山田 耕治, 小川 裕美子, 吉田 博昭, 森田 章介, 後藤 基宏, 覚道 健治 
発表年月 2008/07/26 
開催地 大阪 
学会抄録 「20」 20(124):2008 
概要 [目的] 咬筋および側頭筋腱・腱膜の過形成による開口障害に対して,咬筋腱膜切除および筋突起切除術が有効であると報告されている.手術侵襲のため咬合力は術直後に低下するが、その後徐々に咬合力の回復をする。しかしその時期については明らかにされていない.今回我々は,咀嚼筋腱・腱膜過形成症と診断した3例に対し,咬筋腱膜切除術および筋突起切除術を施行し,感圧測定シートを用いて術前および術後の咬合力の経時的変化を検討したので報告する.
[症例および方法] 症例1は49歳女性で,10年前から開口障害があり,自力最大開口量は28mmであった.症例2は43歳女性で,16年前から開口障害があり,自力最大開口量は24mmであった.症例3は41歳女性で4年前から開口障害があり、自力最大開口量は15.5mmであった。
3例ともsquare mandibleを呈し,開閉口時のMRI所見では関節円板位は正常で,筋突起の過長はみられなかった.術後5日目から開口訓練を施行し,経時的に感圧測定シートを用いて咬合力の測定を行った.
 [結果] 術直後に低下していた咬合力は,症例1では術後3か月で,症例2および3では1か月を境に増大を示した.自力最大開口量は,術後6か月で症例1は 42mm,症例2は35mm、症例3は40mmと改善を認めた.
 [まとめ] 咀嚼筋腱・腱膜過形成症に対する咬筋腱膜切除および筋突起切除術は効果的で,開口量は10mm以上増し,また手術侵襲により低下する咬合力も術後1~3か月を境に増大傾向を示した。