大阪歯科大学 教員情報      
     


発表言語 日本語 
発表タイトル ボツリヌストキシンの導管注入によるラット顎下腺腺房部細胞の機能変化. 
学会名 歯科基礎医学会 
発表形式 ポスター掲示 
発表者・共同発表者 内橋 賢二, 西川 泰央, 成瀬 真弓, 藤本 哲也 
発表年月 2009/09/11 
開催地 新潟市,日本 
学会抄録 「J Oral Biosci」 51(Suppl):127 
概要 ボツリヌストキシンA投与による化学的神経支配切断により、顎下腺腺房部細胞の形態的および副交感性刺激に対する唾液分泌機能がどのように影響を受けるかを検討する目的で以下の実験をした。実験動物は体重200-250 g の雄性ウイスター系ラットを用いた。動物はペントバルビタール(50 mg/kg)で麻酔し、顎下腺の右側の口腔内開口部よりボツリヌストキシン溶液を注入した後、acetylcholineの腹腔内投与による顎下腺の唾液分泌量、ペルオキシダーゼおよびアミラーゼ活性を測定した後、顎下腺を摘出し、腺房部細胞の形態学的変動についても検索した。また、左側の顎下腺には右側と同量の生理食塩液を注入し、対照実験とした。
ボツリヌストキシンで処理した顎下腺では、腺房部細胞に顕著な萎縮が起こり、acetylcholine投与による唾液分泌量、ペルオキシダーゼおよびアミラーゼ活性は有意に低下し、その程度はボツリヌストキシンの処理時間に比例した。以上の結果はボツリヌストキシン処理により、腺房部細胞の神経終末に存在する可溶性N-エチルマレイミド感受性因子付着タンパク質受容体が阻害され、acetylcholineの結合を抑制し、また分泌顆粒の開口分泌を特異的に阻害することが示唆された。