大阪歯科大学 教員情報      
     


発表言語 日本語 
発表タイトル 口腔粘膜の上皮性異形成と扁平上皮癌におけるHPVの関与. 
学会名 第33回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会 
発表形式 ポスター掲示 
発表者・共同発表者 辻 要, 安田 典泰, 栗岡 香美, 林 輝嘉, 林 洋希, 竹山 旭, 松下 巧, 山田 康嗣, 吉田 博昭, 井関 富雄, 森田 章介 
発表年月 2015/01/30 
開催地 奈良市 
学会抄録  
概要 【目的】HPVは皮膚や粘膜への感染により重層扁平上皮の増殖をもたらし、子宮頸部では上皮性異形成や扁平上皮癌の発生に関与していることが知られている。今回、口腔粘膜上皮におけるHPVの感染状況を調べ、p16およびp53についても検索した。【材料および方法】大阪歯科大学附属病院における刺激性線維腫 (OIF)6例、軽度上皮性異形成(OMiD)6例、中等度上皮性異形成 (OMoD)6例、高度上皮性異形成(OSD)6例、上皮内癌(OCIS)11例、高分化型扁平上皮癌(OSCCW)5例および低分化型扁平上皮癌 (OSCCP)5例を用いた。それらからPCR法およびin situ hybridization(ISH)法にてHPV11,16,18を検出した。また、p16とp53に関しては免疫組織化学的方法を用いてHPV感染との関連を比較検討した。【結果】HPV: PCR法においてHPV11はすべての症例で検出された。HPV16はOCIS, OSCCWおよび OSCCPにおいてほとんどの症例に検出された。HPV18はすべての症例で検出されなかった。また、ISH法においてもすべての症例でHPVは検出されなかった。p16:OMiDやOMoD では著明なp16の発現が認められたのに対して、OSCCWおよび OSCCPにおいて発現は認められなかった。p53: OSCCWとOSCCPにおいて著明な発現が認められた。【結論】PCR法においてほとんどの症例でHPV11,16が検出されたことから、その感染が示唆されたが、ISH法で検出されなかったことから感染しているHPVの量は少ないと考えられた。また、発癌に関してp16とp53が関与していることが示唆された。