大阪歯科大学 教員情報      
     


発表言語 日本語 
発表タイトル 上下顎骨切術中に経鼻用気管チューブが損傷した2症例. 
学会名 第44回日本歯科麻酔学会学術集会 
発表形式 口頭 
発表者・共同発表者 大郷 英里奈, 岸本 直隆, 百田 義弘 
発表年月 2016/10/30 
開催地 札幌市 
学会抄録 「日本歯科麻酔学会雑誌」 44(4):154 
概要 緒言
今回我々は,上下顎骨切り術中に経鼻挿管チューブが損傷された症例を2例経験したので報告する.
症例1
22歳,男性.外科的矯正の適応と診断され,上下顎骨切り術が予定された.既往歴は特記事項なく,術前検査において異常は認めなかった.麻酔導入,維持ともにプロポフォール,フェンタニル,レミフェンタニル(以下PFR)による完全静脈麻酔で行った.経鼻用RAE®・カフ付7.0 mmの気管チューブを左側鼻腔から挿入し気管挿管を行った.上顎骨切り終了後から人工呼吸器による機械換気で気道内圧の低下を認めたが,用手換気では気道内圧の低下は認めなかった.このためカフ不足を疑いパイロットチューブを確認したところパイロットバルーン内に血液の逆流を認めた.この時点でパイロットチューブの損傷を疑い,上顎骨のプレート固定後にチューブエクスチェンジャーによる気管チューブの交換を行った.手術終了後呼吸音を確認したが異常は認めず抜管した.
症例2
28歳,女性.外科的矯正の適応と診断され,上下顎骨切り術が予定された.既往歴は特記事項なく,術前検査において異常は認めなかった.麻酔導入,維持ともにPFRで行った.経鼻用RAE®・カフ付6.5 mmの気管チューブを左側鼻腔から挿入し気管挿管を行った.術中は人工呼吸器による機械換気を行ったが,気道内圧,換気量ともに変化はなかった.手術が終了し気管チューブを確認したところパイロットチューブ内に血液の逆流が認められ,気管チューブの損傷が疑われた.すぐに気管内吸引を行い,呼吸音を確認したが異常は認めず抜管した.
考察
今回,2症例とも気管チューブ先端20cm付近で損傷を認め,上顎骨切り術における骨分割時に発生したと考えられた.
結語
上下顎骨切り術において気管チューブの損傷のリスクがあることを念頭に置き,術野を注視するとともに,術者にも注意喚起を行う必要があると考えられた.