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発表言語 日本語 
発表タイトル 放射線照射および骨吸収抑制薬による顎骨への影響に関する画像的研究. 
学会名 日本歯科放射線学会 第58回学術大会 
発表形式 ポスター掲示 
発表者・共同発表者 蒲生 祥子, 辻 要, 秋山 広徳, 天野 均, 四井 資隆, 森田 章介, 清水谷 公成 
発表年月 2017/06/04 
開催地 鹿児島市 
学会抄録 「日本歯科放射線学会誌」 増刊 
概要 目的
顎骨骨髄炎の原因別画像所見を明示する。
背景
頭頸部領域の放射線治療による放射線性骨髄炎(osteoradionecrosis: ORN)と、骨吸収抑制薬(BP製剤等)の投与に関連する薬剤性骨髄炎(medication-related osteonecrosis of the jaw: MRONJ)とは、其々に特徴的な画像所見を呈することが考えられる。
方法
対象は本学附属病院を2001年から2010年までに受診した骨髄炎患者66例。歯科放射線専門医2名が別々に、パノラマエックス線画像、CTないしMRIを読影し、其々の所見を比較した。CTでは辺縁、骨膜反応、病的骨折、骨硬化、エックス線透過性、骨膨隆、腐骨形成、MRIでは骨髄信号の高低・均一性を評価した。
結果
パノラマエックス線画像では検知されず、CTでのみ検知されやすい項目は病的骨折で、通常の骨髄炎(以下通常)44%、ORN 75%、MRONJ 46%であった。骨膨隆は通常、MRONJ、ORNの順、腐骨形成はMRONJ、ORN、通常の順で発現していた。
考察
ORN, MRONJにおける病的骨折は、変化が微細であるためCTで捉えやすい。ORNでは顎骨壊死がび漫性に拡大するため、骨膜反応がMRONJより起きにくいと考えられた。
結論
顎骨骨髄炎の画像所見は、原因ごとに顕著な特徴がある。歯科放射線専門医によって、より効果的かつ正確な鑑別診断を下せる可能性が示された。