大阪歯科大学 教員情報 | |
発表言語 | 日本語 |
発表タイトル | 大阪歯科大学附属病院総合診療第一科における長期的メインテナンスを行っている歯周病患者の歯の喪失に関する調査 |
学会名 | 日本口腔リハビリテーション学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
発表者・共同発表者 | 大井 治正, 北野 忠則, 菊池 優子, 古川 大輔, 松本 有香子, 河原 双葉, 田中 秀典, 長谷川 真也, 小川文也, 前田 照太, 紺井 拡隆 |
発表年月 | 2019/11/10 |
開催地 | 新潟市 日本 |
学会抄録 | 「日本口腔リハビリテーション学会雑誌」 32(1):72 |
概要 | 【目的】大阪歯科大学附属病院総合診療第一科では単独型歯科医師臨床研修施設として研修歯科医が総合診療を行っており、多くの歯周病患者がメインテナンスのために来院している。今回、当科での歯周病患者の長期的メインテナンスの効果を明らかにするため、10年以上のメインテナンス患者の歯の喪失に関する後ろ向き調査を行った。
【対象及び方法】2017年9月より12月の4か月間に当科に来院した全ての患者の診療録から10年以上メインテナンスを行っている135人の歯周病患者(以下グループP-10)男性37人、女性98人を対象とした。メインテナンス開始時の平均年齢58.9歳、メインテナンス間隔は1-4か月であった。調査項目は、性別、メインテナンス開始時の年齢、残存歯数、口腔清掃状態(メインテナンス中のPCRの平均値)、部分床義歯(以下PD)装着の有無、全身疾患と服薬の有無とした。各診査項目がメインテナンス開始から10年後の喪失歯数に及ぼす影響、また、喪失原因を後ろ向きに調査した。統計学的解析はχ2検定(喪失歯は0、1、2、3本以上に分類)を行った。 【結果と考察】グループP-10の平均メインテナンス期間12.9年で、メインテナンス開始時平均残存歯数22.9本であった。10年後の喪失歯数(残根になった歯含む)は131本(失活歯100本、生活歯31本)で、総歯数3094本(失活歯866本、生活歯2228本)の4.2%、1人当たり平均0.97本(最小0本、最大5本、0本52.6%)であった。 喪失歯に影響した項目は、口腔清掃状態であった(P<0.01)。PCR20%以下の患者(83人、平均0.65本の喪失)は喪失歯0本の患者が63.1%であった。PCRが20%を超える患者(52人、平均1.48本の喪失)は喪失歯0本の患者が33.3%で、3本以上の喪失歯患者が多かった。喪失原因は、歯周病(52%)、歯根破折(30%)、う蝕関連(18%)であった。 メインテナンス開始時の平均年齢が58.9歳であることを考慮すると、10年で平均0.97本の喪失はメインテナンスの効果が現れていると考えられる。 |
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