大阪歯科大学 教員情報 | |
論文種別 | 原著 |
記述言語 | 和文 |
表題 | 高齢者の口腔衛生管理に対する電動歯ブラシの効果に与える要因について |
掲載誌名 | 歯科医学 (ISSN:0030-6150/2189-647X) |
巻(号):頁 | 85(1):1 |
著者・共著者名 | 明田 泰江, 元根 正晴, 貴島 真佐子, 糸田 昌隆, 柿本 和俊 |
発行年月 | 2022/03 |
概要 | 2016年の歯科疾患実態調査によると,高齢者の現在歯数は年々増加しており,口腔衛生管理がますます重要になっている.一方で,高齢者は身体能力の低下から歯ブラシ使用が困難になると思われる.そこで,本研究は高齢者の口腔衛生管理における電動歯ブラシの使用感,清掃性および歯周組織への影響と筋力や巧緻性との関連を明らかにすることによって,高齢者に対する電動歯ブラシの効果に関連する要因について検討した.
歯科診療所に定期健診のために来院した満65歳以上の患者10人とリハビリテーション病院に入院する満65歳以上の患者7人を被験者として,健康状態や口腔清掃に関する質問紙による事前調査と検査を行った.検査項目は,歯周ポケット(PD),ポケット測定時の出血の有無(BOP),歯の動揺度,プラークコントロールレコード(PCR%),握力および巧緻動作とした.検査後,電動歯ブラシによる口腔清掃指導を行い,3週間自宅にて口腔清掃を実施した後,同様の検査を行い,その関連を検討した.なお,1人が電動歯ブラシの使用を中断したため,3週間後の調査は16人となった. 電動歯ブラシの使用によってPCR,BOPともに有意に減少した(p<0.01).回帰の分散分析の結果,電動歯ブラシ使用前のPCRは,年齢が高い,握力が小さい,BMIが小さい,残存歯が少ないほど大きかった.BOPは,BMIが小さいほど大きかった.また,電動歯ブラシの使用によるPCRの減少は,年齢が高い,握力が小さい,残存歯数が少ないほど大きかった. 以上の結果から,電動歯ブラシの効果には握力や残存歯数が関係していることが判明した. |
DOI |
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