| 概要 |
成人期から老年期にあるがん患者の抑うつを早期発見するために,DSM-Ⅳ-TRの大うつ病エピソードに沿ったアセスメントツールを開発した。項目の内容妥当性は,修正デルファイ法で,パイロットスタディにおける2名の看護師の評定間信頼性,5分以内の実施可能性を確保した24項目のアセスメント項目が開発できた。アセスメント項目をがん患者400名に実施した。ベック抑うつ質問票(以下,BDI-Ⅱ)を至適基準に,項目選定分析,基準関連妥当性,信頼性分析,アセスメントツールの抑うつ重症度を確認した。結果,I-T分析,G-P分析の結果21項目となった。5因子21項目を検証的因子分析し,すべてのパス係数は0.48~0.99(p<0.001)の範囲であり,重相関係数は,0.32~0.88であり,構成概念妥当性を確認した。BDI-Ⅱの重症度分類別にアセスメントツール21項目の合計得点を算出し,Kruskal-Wallis検定を実施した。その結果,極軽度と軽度,極軽度と中等症,極軽度と重症に有意差があり,基準関連妥当性が確認できた。α係数は0.651~0.979であり,内的整合性が確保できた。これらの結果から妥当性,信頼性を確保したアセスメントツールが開発できた。 |